ナウシカのコメンタリーの話など。

少し前の事になってしまったけど『風の谷のナウシカ』のDVDを、オーディオコメンタリー目的でレンタルして見聴きした。 そのコメンタリーでは庵野秀明と片山一良がシーンを見ながら作画等について語っていて、後半飽きてきたのか流れてるシーンとは直接関係ない話になったりもしていたけれども、庵野がやたらあちこちで「この止めが良い」とか止め絵を有効に使う事を肯定する発言を繰り返していたのが印象に残った。 『ナウシカ』のコメンタリーを見聴きする数日前に、『鴉 -KARAS-』の2巻をレンタルして見ていて、そのコメンタリーの中で、大幅に意訳すれば、何気ないシーンでもあえて背景同然なキャラクターを動かし、それが画面のリアリティに繋がっていく的な、あえてあちこちを動かす事の意義について語るのを聴いた後だったので、正反対の意見だなぁと思いながら『ナウシカ』のコメンタリーを聴く事になったわけなのだった。 個人的には動いても止まってても、そこに演出意図を感じられたり面白く思えればそれで良いと思っているのだけど、庵野がコンテで参加した『トップ2』の4話もトップ2の中ではほとんど動かないシーンの一番多い回だった。 それで、『トップ2』の4話自体は面白かったのだけど、たとえば、ノノとサーペンタイン姉妹が向かい合って会話する緊張感のあるシーンなどは止めですごくいいなぁと思えたけど、緩和部分であるトップレス達のプールで遊んでるシーンがほとんど動かないのが、なんだか少し古いアニメを見てるような感じがした。 動きのあるはずのシーンなので余計に動かないのが気になったというのもあるし、そこをやたら動かしても大筋とは関係ないのであまり意味はないのだろうけれども、思い返してみて、4話は止めを多用し過ぎているように感じた。 無駄じゃない物も省いてるように思えたっていうか。 『ナウシカ』のコメンタリーでの他ではあまり見かけない話としては、賀川愛がどこを作画したかがけっこう語られてたくらいかなぁ。