逢坂浩司追悼展示会へ行ってきました。

一週間くらい前に遅ればせながら観てきました。 急遽開催されたということもあってか小規模な展示ではあったのですが、その分1つ1つじっくり見る事が出来ました。 展示されていた内容は、スタッフとして関わったアニメ作品『エスカフローネ』、『ヒヨウ戦記』や『Vガンダム』、『絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク』、『獣王星』などの版権イラストの完成品とその原画が主で、アニメの実作品内の原画では『Gガンダム』のドモンなどキャラクターの顔のアップのものを中心に何点か、他には『ヒヨウ戦記』や『絢爛舞踏祭』の一部のキャラ表や「アニメーションRE」に掲載されていた漫画の鉛筆描きの原稿などを見ることができました。 どの画も線がビシッと決まってて綺麗だったなあ。 『ガンダム0083』の版権の爆煙の影の立体的な付け方などじっくり見入ってしまいました。 その『0083』の版権は、原画では前面のキャラと背景のモビルスーツ等を別々の紙に分けて描いてあったのですが、合体させた完成品では良い感じの爆煙がキャラの影に隠れてほぼ見えなくなってるし、塗り(彩色?)で煙のフォルムが微妙に変わっていて勿体なかったです。 あと、逢坂浩司の特徴というわけではないのでしょうけど、握っている時以外の指の第一関節を省略してる画が多かったのが印象に残りました。 漫画やアニメで指の関節を描くのが一般的になったのっていつ頃からなんだろう。


それで、それらの展示されている中で特にフィーチャーされていたのが『ヒヨウ戦記』のDVD特典?(と展示された中の一枚に書かれていたように思います)のちっこいキャラが魚釣りをしていたり前歯が二本のキャラが池に落ちたりするシーンの原画と、『劇場版カウボーイビバップ 天国の扉』でのスパイクがモップを使ったアクションの、女キャラがキックしたり裏拳や掌底を繰り出す辺りの修正原画で、これらは会場の真ん中のテーブルに広くスペースを取って展示されていました。 『ヒヨウ戦記』の方の水しぶきの丸い粒が細かくて綺麗だったです。 この2つは中央の展示とはまた別に、カラーコピーされバインダーに閉じられたものも展示されていて、観に来た人自身が手にとってパラパラめくれるようになっていたのですが、紙の大きさが微妙に違うのでパラパラ漫画のように上手くパラパラは出来ませんでした。 このバインダーのビバップのアクションの方は修正前の原画も一緒に入っていて比較も出来たのが面白かったです。 元の原画は筆圧強めの固いタッチで描かれてあって、その上から髪や表情や服のちょっとしたフォルムの細かいニュアンスを修正して描いている感じ。


そのほかには関係者の追悼文も展示されていて、声優では関智一桑島法子、監督ではアミノテツロー渡辺信一郎監督、アニメーターでは谷口守泰沖浦啓之、毛利和昭、山本佐和子、伊藤嘉之などの追悼文がありました。 アミノテツロー監督のはコンテっぽく描かれていてちょっと読みづらかったですが、コンテの内容はヒヨウのキャラの10年後?の姿に関してマゲを逆にするアイデアを逢坂さんが監督に対して語っているエピソードでした。 南雅彦川元利浩などボンズの要職な人のものが無かったのは主催側で身近すぎたからなんだろうか。 それと、追悼文を展示しているすぐそばに、展示会を観た人の感想も幾つか掲載されていたのだけれども、その中には逢坂夫人らしき人の文もあったように思います。 ご自由にお持ち帰り下さいとのことで、追悼展示会のポストカードを一枚いただいて帰りました。 ちなみに展示されていたうちの何点かはアニメージュ2007年12月号の逢坂浩司追悼特集でも見る事が出来ます。


本人の死という形で今回の展示会があり、おそらくだからこそ自分の観に行ける地域でも巡回されたのではないかと思うと色々微妙な気持ちにはなるのですが、観ることが出来た事自体は純粋にありがたかったし、逢坂浩司の仕事の一端に接する機会が持てて良かったです。 謹んでご冥福をお祈りいたします。