■

のび太の恐竜2006を、別に何度も見るためではないけれども入れ替え制じゃない映画眼を選んでやっと見てきた。 見て損な感じはしないアニメなのだけど、なんというか、アニメーターが頑張っていたけれども登場人物はあまり頑張れてなかったなぁと思った。 のび太達を襲った恐竜や恐竜同士の争い、川の濁流、のび太達の話の筋に直接には関係しない時の動きなどなどは良く動いてたのだけども、それらの動きがのび太達の活躍には貢献していなくて、登場人物達はみんな活躍しそうでしないのが見ていて歯がゆかったかな。 登場人物達の活躍と作画の動きの密度が気持ちよく一致したものが見たかったというか。 しずかちゃんが恐竜の子を抱いて守ったりジャイアンがなんか黒いのをバットで打ち返したりとか、ドラえもんのポケットにみんなで入るとか、一応少し活躍はしてるとも思えるのだけどなんかあっさりしてたというか、たまたまそんな行動を取ってしまっただけで結果的には活躍し切れていなかったっていうか。 ピー助と悪い人達は活躍してたけども。 幾つかの雑誌のインタビューなどを読むと、渡辺歩監督が原作や今までのドラ映画をかなり意識してると思えたのだけど、意識し過ぎたことで何か失ったものがあるんじゃないだろうかと何となく思った。

ちなみに一番印象に残ったのは、のび太が壊れたタイムマシンに乗った時に座席がバネの力でボヨンってなった時に飛んで画面から消えたシーンと、ドラえもんがタイムマシンが壊れた事を隠したり言い出せなくて微妙な表情や態度を取るシーン。 迫力などとは全然関係ないシーンだな。 アニメーションREで語られていた森久司の恐竜の所は凄いのだけどブツ切り感があって、もうちょっと長くっていうか、カットの繋がりがスムーズな感じで流れるようなのが見たかったなぁと思った。 テレビシリーズはほぼ見てないし水田わさびは『お伽草子』の金太郎のしゃべり方が凄く苦手だったので映画を見る時にドラえもんのしゃべり方が気になるんじゃないかと思っていたけどドラえもんはあまり活躍せず思ってたほどしゃべってるシーンが多くなくてそんなに気にはならなかった。