『地獄堂霊界通信』を見たことなど

このアニメはキャラクターも背景も、ちょっと雑っぽいタッチの線が引かれていて、キャラクターに入った線が汚れに見えてしまう部分もあってそう感じさせるのはどうなんだろうと思ったりもしたけれど、でも怖くはないものの、そういうタッチもオカルト的な不気味さに繋がっていたし結構味わいのあるアニメだった。 全体的にそんなに動いてはいないのだけど、動きで印象に残ったのは主人公の3人組の1人のガキ大将っぽい子が給食のパンをクラスに運んで来た時に転ばされる辺りからドッジボールの辺りまでで、特に、ドッジボールのシーンはカットの切り替わるタイミングも気持ちよくて、3人組の茶色の髪の子がボールを投げた後、画面変わって画面奥の方の子が受け取ってそれを右の画面外へ投げた後の、ピッチャーの投球後のようなリアルっぽいリアクションと、そのボールの動向を目で追いつつ体勢を変えて動く手前の女の子とガキ大将っぽい子、ガキ大将っぽい子を怪しい目つきで目だけで追っている霊に取り付かれた子、達の、それぞれの連動した有機的な動きが、短いシーンなのだけど躍動感があって、見ていて気持ちよかった。 リアルな傾向の動きをしているのはほぼこの辺りなので、橋本晋治の作画はこの辺りではないかなぁ、などと思って検索したら、思い切りWEBアニメスタイルドッジボールの前後をやったと書いてあるのがヒットしてしかもそこは何度か読んでいるページなので2度ガッカリしたのだった。 記憶って神秘だ。 『スペースコブラ』の森本晃司の作画部分でも同じ様な経験をしたっけな。 でもこのドッジボールの茶髪の子がボールを投げた後のシーンは本当に気持ちよくって、特に、手前左側の女の子の動きがそんなに動いているわけではないのに躍動感があるのだよなぁ。 ポーズも含めての良さなのだろうな。 あと、3人組の1人の子が、霊に取り付かれてる子と肩が当たった後突き飛ばされる所もそんなには動いていないけど良かった。 あとは公園の木の下から現れた女の子の体が溶けるように剥がれて骸骨が剥き出しに素早くなるのもちょっと不気味でいい感じだったな。 それと、全然関係ないけど、このアニメに登場する極楽堂という店の主人の顔が細田守に似ていてなんだかおかしかった。



アニメの作画を語ろう 橋本晋治(4)
http://style.fm/as/01_talk/hashimoto04.shtml