この頃今時のノリや作画とは違う昔のアニメを無性に見たくなることがあって、そんな流れの中、一昨日になるのかな、アニメの『県立地球防衛軍』をレンタルして見てみた。 大分昔に1度、借りるかテレビで見るかした事もあったと思うし、原作漫画自体も好きでコミックスを持っていたものだけど、見てみてノリがとても懐かしい、という感じだった。 80年代ノリのアニメを見て興奮したのって久しぶりなんじゃないかなぁ。 オープニングと1話以外はアクションもノリも微妙な仕上がりだったりするのだけども、『県立地球防衛軍』はオープニングに関してはWEBアニメスタイルの「もっとアニメを見よう」の鼎談やARTIFACTの記事などで話題になったりとかあって、それらの記事を読み読みしつつもオープニングや内容の事などまったく覚えていなかったので、始めて見るような気持ちで楽しめたのだった。 OPも1話も爆発やミサイルが飛ぶところやキャラがジャンプしたりとかとにかくアクションがシャキシャキ歯切れが良いのが気持ちよい感じだった。 個人的にはオープニングよりも1話全体の方が好きかも。 そして例によってどのアニメーターがどこをやっているかなどさっぱり分からないのだけれども、1話で特徴的だったのは、爆発とか何かを殴ったり何かがぶつかったりする時にやるような、アクションの瞬間に一瞬黒い画面になって白い抽象的な線が描かれてるだけの画が入るようなのが、ミサイルが軌道を変える時にも入ってることかなぁ。 それが不思議な感じっていうか、考えてみたら、ああいう技法って何かがぶつかる時のみしかやっちゃだめなわけではないのだよなぁと思った。 あの妙な飛び方をするミサイルやギザギザの入った爆発が田村英樹って人の特徴なのかなぁ。 カーミ・サンチンみたいにほとんど人間にしか見えないけど肩からミサイルが出せるキャラって、メカや銃器を描くのが面倒だけど爆発やったりミサイルは飛ばしたりしたいって人にはありがたいキャラなんじゃないだろうか。 何の根拠もないけど。


よくよく思い返したらミサイルの軌道が変わる時に黒い画面になるのってごく一部分のシーンだけだった。 ただどっちにしろ軌道の変わり方に癖があるので、ああいうのが特徴なのかなぁ。


ところで、この『県立地球防衛軍』の2話で、県立地球防衛軍のメンバーが電柱組に捕まって簀巻にされて川へ放り込まれ、それが何の理由も説得力もなく助かって「あぶないところだった」と良いながら這い上がってくる、というのを繰り返す個人的に好きだったギャグがあって、そのシーン自体は原作の方が面白いのだけれども、これもまた何年も前に、サトウトシキ監督の『夢の後始末』という映画を見た時に、脚本家が映画監督に車で轢かれるんだったかな、それでなんだか忘れたけど海かどこかに落ちた脚本家が何の説得力もなく這い上がってきて助かったのが分かるシーンがあって、そこでは「あぶないところだった」とか言ってたかどうか定かではないけど、そのいい加減な助かる感じのシーンを当時見ながら、これどっかで見たことあるんだけどどこだっけ、と思っていたことを、『県立地球防衛軍』を見て今更思い出したよ! 『夢の後始末』という映画は、本気なんだかなんだかよく分からない事を映画監督役の町田康がしゃべったり行動したりするのが面白みになっている映画で、サトウトシキ監督の映画はそういう、ふざけたような妙なおかしみのある映画が幾つかあって、全然そういうノリじゃない物もあるからその味わいはこの監督の持ち物なのか脚本家の人の物なのか分からないけどふざけたようなおかしみの部分が好きだ。



(関連)
県立地球防衛軍スタッフリスト
http://shirayuki.web.infoseek.co.jp/anime/Kenritsu.html
田村英樹氏 参加作品データ
http://www.geocities.jp/show_maya_fc/data/tamura/data_tamura.html
「もっとアニメを観よう」  第3回 井上・今石・小黒座談会(3)
http://www.ntv.co.jp/ghibli/web-as/04_watch/watch03_3.html
カトキハジメ氏がコンテを担当した『ケロロ軍曹』38話は80年代の香り
http://artifact-jp.com/mt/archives/200412/kerorokatoki.html