映画の話かな

一週間くらい前だろうか、レンタル店へ行ったらホラーの棚に『愛と不思議と恐怖の物語 7人の巨匠がおくる7つのショートストーリー』っていうDVDが新作で置いてあって、パッケージをよく見てみたら、かつて録画するはずが思い切り忘れていて、最後の数分だけしか見られなかった黒沢清監督の『タイムスリップ』が入った、けっこう前にテレビ放映されたオムニバスドラマ(映画って言った方がいいのだろうか。でも内容を見ると違う気がする。)のDVDだったので即レンタルをして見てみた。 個人的には最後の2つの作品である、ケネディ・テイラーという人と黒沢清のものだけ見れば十分だったかなぁ。 ケネディ・テイラーの作品だけが脚本がよく練られた感じの、いかにもアメリカの映画やドラマっぽいよねという作品で、これと他のものを比較すると他のがみんなワンアイデアで大ざっぱに作られたように思えた。 いや実際大ざっぱだなんだろうけど。 要するに他の作品はケネディ・テイラーのものと比べると練り込みやアイデアが足りなく思えるのだけど、黒沢清の『タイムスリップ』だけがこれ以上練り込みようのないっていうか、練ってもアイデア出しても特にクオリティは上がらないだろうっていう内容で、同じシーンを延々繰り返すという、ワンアイデアには違いないんだけど、他の人の作品のような、どこかに手を加えたらもっと良作になるような方向で作られたものではなくって、そういう意味で作品の傾向が一番異質だったと思う。 良くなったり悪くなったりするようなものじゃないというか。 まぁ『タイムスリップ』が脚本が重要になっている作品じゃないって事でもあるんだろうけども。 延々と微妙な違いしかない光景が繰り返され明らかにどんどんやつれていく大杉漣が切なくて内容と関係ない部分で笑えてしまった。


愛と不思議と恐怖の物語 7人の巨匠がおくる7つのショートストーリー
http://www.allcinema.net/prog/show_dvd.php?num_sid=401238