『蟲たちの家』黒沢清監督独占インタビュー


楳図かずお 恐怖劇場〜蟲たちの家』黒沢清監督独占インタビュー
http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/cinema/cinecom/archive/news/2005/06/20050615org00m200024000c.html

−−今回の作品と、『アカルイミライ』以前のホラー映画の雰囲気が違うように思うのですが。


 意識的に変えているつもりはありません。ありませんが、確かに、『アカルイミライ』の時から少し変わった。きっかけは9.11テロ事件です。それまで僕は、具体的に言うと『回路』ぐらいまでは、結構思い切った破綻や破滅というのをフィクションとして楽しんでいました。世の中の、まったく違う価値観の人間同士がガンガン対立していけば、その先にいいことがあるんじゃないかと無責任に思っていたんです。でも、激突するとこうなる、というのを、僕は9.11でまともに見てしまったのです。

−−監督にとってホラー映画とは?


 人間の感情には喜怒哀楽さまざまなものがありますが、ホラー映画というのは、観客の「怖い」という感情に訴える、とてもちゃんとした娯楽であると僕は思っています。でも、怖いという感情は、いつの時代も差別されている。ポルノ映画と同じですね。好きな人しか見ない。

 現実社会の中で、感情的に差別されているもので最もわかりやすいものは「死」。みんなこれについては考えないようにしている。でも、現実にあるいろんなものをテーマにしようと思ったとき、そうした恐怖を呼び起こすものがなぜ抑圧されているのか、表現されないのか、人々が嫌うのか、そういうものに作家的な興味がどうしても向いてしまうんです。

一月以上前のインタビュー記事なのだけど黒沢清監督は貴重な発言をしていると思う。 ちなみにリンク先の内容では映画の結末部分について語ったり、映画の構成の理由について語っています。


思い切り表示が崩れてしまった。