『文藝別冊 総特集 手塚治虫』を読んで思ったいい加減なことなど

いしかわじゅん 秘密の本棚 連載第五十七回
http://www.comicpark.net/ishikawa041122.asp

もうひとつは、手塚治虫が『巨人の星』のヒットに、〈「こんな漫画のどこが面白いんだ!」と言いながら号泣した〉という発言だ。
 寡聞にして、そのエピソードをぼくは知らない。『巨人の星』に代表される劇画の台頭に危機感を持ち、かなり貶したという話は聞いたが、号泣したという話は一度も聞いたことがない。出自を教えてほしいものだ。
 吉田豪の文章は、はまれば凄く面白い。でも、この回は、考えの浅い不正確にすぎるものだったと思う。

たまたま『文藝別冊 総特集 手塚治虫』を読んでいたら、永井豪呉智英大塚英志の鼎談の大塚英志の発言の中に

たとえば、梶原一騎さんの作品と僕の作品とどっちが面白いんだと、涙ながらにアシスタントに聞いたようなことを伺いました。


(『文芸別冊 総特集 手塚治虫』P178 追悼鼎談 手塚治虫はお釈迦様だった。)

というものがあった。誰から伺ったのかは書いてなかった。号泣は分からないけれど、少なくとも泣いたというエピソードは誰かが語っているようだ。だからそれは誰やっちゅうねんという話なのだけど。


総特集手塚治虫という本には他にも手塚治虫の実の妹である宇都美奈子の手記に、その妹がそばで見ている時に手塚が描いていたのは「「ロストワールド」でランプがあやめをレイプしようとするシーン」だったという心温まるエピソードや月岡貞夫による東映動画ではみんなで議論して決めていくので一つの物事がなかなか決まらなかった話などが読めたりして所々面白いのだけれども全体としては自分的には物足りなかったかな。 他に手塚治虫の担当編集をやってから後にチーフアシスタントになった福元一義という人のインタビューは良かったし『光魚マゴス』というテレビ番組の企画のプロットに出てくる空に生息している光魚という生き物がコナン・ドイルの空を扱った短編を思い出させるような所があって懐かしかった。


というような事をメモした後で一度寝て外へ出掛けたら『手塚治虫コナン・ドイル』という本があるのを見つけてびっくりした。 コナン・ドイルって医者だったのだよなそういえば。

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URLとタイトルを引用枠内から出してタイトルに見出しのしかくいのをつけてみた。
カテゴリとタイトルの部分もしかくいのが付くので見づらい感じがするなあ。
四角いの付かないでカテゴリのリンクが効く方法はあるのだろうか。
迷走は続くよどこまでも。

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